健康な方が右か左の胸が痛くなり、息苦しさを感じるようになった時、胸部レントゲン撮影で気胸と診断されることがあります。健康な肺をお持ちの方が気胸となった場合、自然気胸といい、肺気腫などがあって気胸となる続発性気胸と区別されます。自然気胸となられた患者さんの肺をCTで撮影すると、肺の表面に肺嚢胞やブラと呼ばれるよけいな空気の袋が出来ています。肺嚢胞は破れやすいため穴が開き、風船がしぼむように肺がしぼんでしまうのです。肺のしぼみ方が高度だったり、呼吸苦の症状が強い場合は漏れ出た空気を外に出す処置が必要になります。破れた穴は数日で塞がることもあれば、なかなか塞がらず、治療が長引くこともあります。また、気胸は再発することがあります。自然気胸を完全に治して再発しないようにするためには肺嚢胞の切除術を行う必要があります。
当科は自然気胸に対する胸腔鏡手術の経験が豊富で、肺嚢胞の数や場所によって1つから3つの小さな穴で肺嚢胞の切除術を行います。気胸手術をご希望の方は呼吸器外科外来までご相談ください。